どうも、声優派遣屋の矢吹です
またまた間が空いてしまいましたが、
前回のナレーション講座で矢吹なりの解釈で、
次のようにナレーションメモを残したのを覚えているでしょうか。
課題原稿でも自分で作った原稿でも結構ですが、
ナレーションメモを書くときはまず文章の読み方の調子について書きましょう。
矢吹のメモでは読み方の調子については「→」で記述しています。
読みの調子を考えるためには
まずは主語と述語の関係性を見つけることが大事でしたね。
例えば赤いメモの一文目で主語にあたるのは厳密には「人々が」ですが、「人々が」という短い間だけで文章の調子をコントロールするのは至難の業です。そのためメモでは
主語を「幅広い年齢層の人びとが」と捉え、この部分の「→」を右肩下がりで記述してあります。また述語にあたるのは「ことです」ですがこれだけでは正直言って文章の意味が理解できません。そのため
述語にあたる部分を「学習をすることです」に設定し、この文も→を右肩下がりになるように記述しています。
長々と書きましたが要するに、
一つ目の文章の大枠は、
「幅広い年齢層の人々が、学習をすることです。」という文章なワケです。
しかしこれだけではまずそもそも「幅広い人々が学習する」というこの話は何の話なのかわかりませんし、どういう学習をするのかという「学習」に関する詳しい内容も分かりません。
そこでこの文章の「意味」を考えたとき、「
生涯学習」と「
学校教育の枠を超えて」というワードが重要なワードであると考えられます。
「生涯学習」というワードは、一文目のみならず、二文目、三文目も含めたこの文章全体の意味を考えたときに、
この話の「主題」であることがわかります。あなたのこのナレーションを聞く人はあなたの発するこの「生涯学習」という単語を一つ聞き逃しただけで、難に関してのナレーションなのかがわからなくなってしまいます。...だとしたら、じっくりと読んでちゃんと相手に伝えなければならないことはわかりますよね。
「学校教育の枠を超えて」というのは、文章全体から見れば「生涯学習」というワードほど重要ではありませんが、「生涯学習」というワードを知らない人にとっては、普通の学習とこの「生涯学習」とは何が違うのかわかりません。ですがざっくり言うとこの生涯学習というのは小学校や中学校、高校などの学校に通って勉強をする「学校教育」には含まれない学習のことを指します。 とまぁこの事実を、ナレーション原稿をもらったあなたが知っていようが知っていまいが、文章を一読すればわかりますよね。
少なくとも生涯学習の説明をするにあたってこの「学校教育の枠を超えて」というのがこの文章中では一番わかりやすくて重要なのだろうな、ということを察するくらいの読解力は必要です。以上の観点から
この二つを重要なワードとして「スロー再生」することで強調して相手に伝えること。これが文章の調子に続いて二番目に考えることです。だからこの二つのワードは、メモの中では□で囲ってあります。
次に考えるのは、ここまでを考えた上で「
どこをどう区切ったら読みやすく、また伝わりやすいか」です。あなたが読みやすいだけの読み方では相手にナレーションはうまく伝わりません。しかし相手にとって聞きやすいことだけを考えていてはあなたが読むときに苦戦を強いられてしまいます。どちらも最大限考慮したうえで切るべき個所は、矢吹が「v」と「/」のメモを残したところです。「v」は一瞬の間、「/」は読点そのままのじっくりととる間でしたね。
読点「、」が記されている部分は大抵はそのままどちらかの区切りを入れればいいのですが、基本的に
読点なんてものは目で見たときに「読」みやすい「点」だから読点なのであって、話す時には必ずしもそれ通りに区切って読む必要はありません。完全に従うとブツブツと切れる変な文章に聞こえたり、逆に区切りが全然ない文章に聞こえることがあります。
しかしこの一文目に関してはそのまま従ってOKです。
しかし、見て分かる通り「間」の取り方が「v」と「/」で違います。まずは両方「/」で間をとった場合を考えればよいのですが、実際にそれで読んでみてください。
短い文章なのに、がっつりと長い間が二つもあるとなんだか気持ちが悪く感じませんか? もしそう感じたならばそれは先ほど述べたようなブツブツ切れるように聞こえた
「区切りすぎ」の読み方なのです。
しかし文章のはじめの「
生涯学習とは」と「
子どもから大人まで様々な人々が」はそれぞれで意味を成している「意味の異なるまとまり」です。となると「/」で区切るのは難しいけれど、なんとかしてこの二つの間に「間」は欲しいと思うわけです。そこで活躍するのが一瞬の間の記号「v」。これにより、
しっかりと区切りは確保しつつもあまり間をとらないことで相手に違和感を覚えさせることなくナレーションを聞いてもらうことができます。このように、一文目だけでも、考えればこれだけの付加価値を文章に付けることができます。二文目以降はまた解説しますが、こんな観点で考えてみてください。
また、「いや、私の解釈はそうじゃない!」といった見方がありましたら是非教えてください
posted by Voice Closer 矢吹 at 15:30|
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