2014年12月18日

「タ行」の不思議と言い方

どうも、声優派遣屋の矢吹です

タ行」というのは不思議なもので、言い方一つでセリフやナレーションを攻撃的なものにも、優しいものにもします。
特に「た」、「て」、「と」は「〜した」という過去表現をするときや「◯◯と◯◯」というような並列を表すとき、「〜して、◯◯」というような接続を表すときなど様々な場面で登場します。(※「ち」や「つ」は無声化などの問題があり、そちらを意識すべきです。)


例えば攻撃的なものの例でいえば、

信じていた相手に裏切られた時の、「私(俺)は◯◯した!! なのに…」というようなセリフにおける「した」の部分がそうですが、激情的なセリフにタ行が用いられているとよく映えます。

またアニメやゲームのキャラクターが使用するようないわゆる「必殺技」にタ行が含まれていると非常に力強く聞こえます。

大勢を目の前にした説得のための演説などでも使えるでしょう。

こういった「強く」声を発するときには、タ行は自然と力強い音になりますので意識して強めて言う必要は余りありません。ただ、自分の作ったセリフなどに「力強さ」を持たせたいときに、あえてタ行を多用するなどすることはできるでしょう。


ではもう片方の「優しいタ行」とはどんなものなのでしょうか。


先ほど触れたように、タ行は普通に発していたとしても、録音して聴いてみた時には「強く」きこえてしまう音です。同じ文章を言っていても、それが相手に語りかける場面であった場合や、静かなドキュメント番組などであった場合はどうでしょうか。これらのシチュエーションでは優しい聞こえ方にするためにタ行を工夫して発音する必要があります。


優しい聞こえ方には

@口の開き方を少しだけ小さくする
Aタ行発音時の唇を少し引っ込めたり下にさげたりし、音が上に飛ぶのを防ぐ


この2点を意識すると、初心者の方は比較的なりやすいかと思います。


また、「そっと」「ずっと」「だった」など、タ行の前に「っ」が入っているパターンもよく見かけます。そして上記の語句を見る限りこれらが含まれる文章はゆっくり優しく、そして時には余韻を残して喋ることが必要になる場合も多そうです。

こういった場合は「っ」に割く時間を通常の2倍以上にしましょう。
「そっと」ならば「そ...っ...と...」など、一つの単語をゆっくり時間をかけて言うことで落ち着いたイメージを出します。そこに先ほどの2つの原則を当てはめれば完璧です。



その他番外として「あたたかい」の言い方を紹介します。
ナレーション中の「あたたかい」などそんな気はなくても「あたた『た』かい」のように焦って滑っているように聞こえてしまうことがあります。確かに「あたたかい」は言いにくい単語ですが、この単語のみ、もしくは前後も含めて徹底的に「ゆっくり」と発音しましょう。「あたたかい」自体優しい響きを持つ言葉ですので、ゆっくり、さらにタ行の言い方原則を加えると非常にぬくもりのある言葉に聞こえます。

「今週末はあたたかくなる見込みです。」

などの文章を使い、練習してみましょう。
ラベル:発音 声優
posted by Voice Closer 矢吹 at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | うまく喋るには講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月25日

「第八回「うまく喋るには」講座 -無声化C-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

6月27日掲載の「第七回「うまく喋るには」講座 -無声化B-」では、
無性化をまずは意識してできるようになるために知っておかなければいけない要素「無性子音」とはk、s、t、n等、日本語をアルファベットで分解したときに子音と呼ばれるものの中でも「k、s、t、h(f)、p」であること、
また無性化とはこの無性子音に挟まれた母音を読まないことであると説明しました。

そしてこのルールで見ていくと、例えば「きつつき(=k i t u t u k i)」は3文字目の「つ」まですべて無性化してしまうことになりますが、こういった場合は1文字目と3文字目を無性化、2文字目と4文字目を無性化しないというように「無性化は連続しない」というルールがあることも説明しました。

ここまでで無性化のルールをおさえます。
@無性化とは無性子音と無性子音に挟まれた母音に起きる。
A無性化は2文字連続しては起こらない。


そしてもう一つ覚えるべきルールはこれです。
B句読点(「、」や「。」)も無性子音として扱う。

例えば「〜です。」はアルファベット分解すると「〜d e s u 。」となりますね。
この句点「。」もこのルールに則って無性子音として扱うと、この「u」は無性子音である「s」と「。」に挟まれていることになります。つまり「〜です。」の「す」も無性化するというわけですね。試しに無性化する場合と無性化しない場合両方の「です」を言ってみてください。無性化したほうがキリッとした印象を与えるのではないでしょうか。

末が無声音になり得る文字で文章が終わっていた場合、少し意識して見てみてください。

また先ほどのAのルールに密接に結びつくルール…というか傾向が1つあります。

それは「アクセントのある」部分は無性化しにくい、ということです。
「きつつき」の例でいえば、無性化を連続させない手段としては2文字目の「つ」のみを無性化して、1文字目の「き」と3文字目の「つ」は無性化しないという手もあるはずです。しかしそれはしません。なぜかというと、これはまた今後日本語の「アクセント」についての講座で取り扱いますが、アクセントのある部分、つまりその語句でいう一番音が「高い」部分(※田中太郎(たなかたろう)さんでいうところの「たろう」の「た」の部分)は無性化しにくい傾向があるからです。

きつつきのアクセントは2文字目のところにあり、アクセントのある部分を「」で表すと、
き「つ」つき となります。

そのため、きつつきの無性化は先に紹介したようになったのです。

しかしこのアクセントに関する無性化ルールは、ルールというよりあくまでも「傾向」
例えば、私は岐阜県民なのでよく思うのですが県庁所在地の「岐阜市(ぎふし)」はアルファベット分解すると「g i f u s i」となり、「u」は無性子音「f」と「s」に挟まれた母音であるため、無性化します。しかしこの場合、「ぎふし」のアクセントは『ぎ「ふ」し』の部分のため、このアクセントルールが適用されれば無性化されないハズ…。しかし、この「ふ」は無性化されるのです。

このように例外もありますが、
原則となる3つのルールと、アクセントのある部分は無性化しにくいという「傾向」を覚えておけばたいていの無性化はクリアできます。

無性化のルール.jpg

頑張ってくださいね
ラベル:声優 無声化 滑舌
posted by Voice Closer 矢吹 at 12:09| Comment(0) | うまく喋るには講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月22日

「第七回「うまく喋るには」講座 -無声化B-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

6月19日掲載の「第六回「うまく喋るには」講座 -無声化A-」、
また20日にアップしたYouTube動画内においては、

無声化における「無声音」の出し方のほか、
5つの語句を実際に読み上げることで無声化する音はどれなのか確認しました。

今回は無声化のルールについて説明いたします。

まずは前回までのおさらいです。

@無声化すればよい音は基本的に
「き」、「く」/「し」、「す」/「ち」、「つ」/「ひ」、「ふ」/「ぴ」、「ぷ」のみ。
A無声音とはまさにこの「喉が振動しない」音のことで、できているか練習するには喉に手を当てて、喉が震えていないかをチェックする。
B無声化は音をシャープに、そして綺麗に流れるように聞こえさせるために行う。


大体こんなところが頭に入っていれば上出来でしょう。

無声化を理解するには、まず「無声子音」というものを理解する必要があります。
無声子音とは、例えば「き」でいえば
「第三回「うまく喋るには」講座 -滑舌編B-」での方法にならい、
「き」を「k」と「i」に分解した場合、子音にあたる「k」の部分です。
また無声化する音はおさらい@にもあるように、
か行、さ行、た行、は行、ぱ行しかありませんから

つまり無声子音とは「子音の中でもk、s、t、h(f)、pのこと」といえます。

無声子音.jpg

そして例えば
「きくのはな(菊の花)」をこうしてアルファベットに分解すると
k i k u n o h a n a となります。

無声化2.jpg

画像にある通り、
無声化する部分は無声子音と無声子音に挟まれた母音、ということになります。

なので、「きくのはな」の「き」を「k」と「i」分解した内の
「i」の部分が音としては消えることになります。
だから「きくのはな」は「き」が無声化する、というワケです。

そしてもう一つ、
この原則にのっとったうえでも、無声化しない部分があります。
ここでは例として「きつつき」を取り上げます。
きつつきをアルファベットにして分解すると
k i t u t u k i となります。
(※無声化における語句のアルファベット化は「たちつてと」を[ta ti tu te toとするため。])

ここでわかると思いますが、最後の「i」以外の母音「i」、「u」、「u」はすべて
無声子音である「k」か「t」に挟まれています。
じゃあ「きつつき」は最後の「き」以外すべて無声化するのかというとそうではありません。

ここで無声化の原則その2です。
「無声音は連続しない」

なのできつつきは1回目の「き」と2回目の「つ」だけを、交互に無声化するのです。

他にもまだまだ無声化のルールはありますが、今日はここまで。
また次回、復習しながら順に覚えていきましょう
ラベル:声優 滑舌 無声化
posted by Voice Closer 矢吹 at 21:14| Comment(0) | うまく喋るには講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月19日

「第六回「うまく喋るには」講座 -無声化A-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

6月17日掲載の「第五回「うまく喋るには」講座 -無声化@-」では、

無声化の話をしていくにあたり、

・きくのはな (菊の花)
・きつつき (啄木鳥)
・しかいしゃ (司会者)
・つくし (筑紫)
・ちかしょうてんがい (地下商店街)


これらを自分なりに「シャープに読む」ことを心掛けて
口に出して言ってみてください、とお伝えしました。

どうでしょうか?

「シャープに」の感覚は人それぞれだと思いますが、
自分なりに納得のいく発音になったでしょうか?

ここでこれらの単語を口にするとき、
今回のテーマ「無声化」を行う部分をまずご紹介しましょう。
下の太字の部分が無声化のポイントです。

くのはな (菊の花)
き (啄木鳥)
かいしゃ (司会者)
くし (筑紫)
かしょうてんがい (地下商店街)

ではこの太字の部分をどのように読めばいいのか?
6月11日掲載の「第三回「うまく喋るには」講座 -滑舌編B-」
では「か」という音は「k」と「a」の二つの音からできている、と説明しました。

この時「k」を発音するときには
喉が震えていないかをチェックし、喉に手を当てても振動しない状態で音を出す、ということを説明として付け加えたのを覚えているでしょうか?
無声音とはまさにこの「喉が振動しない」音のこと。

ちなみに

「き」、「く」/「し」、「す」/「ち」、「つ」/「ひ」、「ふ」/「ぴ」、「ぷ」

皆さんが基本的に無声化すればよい音はたったこれだけ。

これをもとに上記の、無声化を行う太字部分を見てください。
すべてこれらに当てはまっているはずです。

例えば「きくのはな」であれば、
喉に手を当てて、「きくのはな」と言ってみた時に、
この「き」の部分だけ喉が震えず、息だけが「きっ」と発音されていれば正解です。



なんじゃそら…
よくわからん…
という方もいらっしゃるはず。
無声化されている場合とされていない場合の比較音声を
YouTubeにて近日中に公開いたしますので、参考にしてみてください。

そして、もうひとつ疑問に思われることがあるとすれば、
「きくのはな」の「く」や「きつつき」の残りの「つ」と「き」など、
他の所にも無声化される音があるけど、これは無声化しないの?
ということでしょう。

これに関しては、例外もありますが原則としての
無声化のルール」を次回ご紹介します
ラベル:声優 滑舌 無声化
posted by Voice Closer 矢吹 at 20:03| Comment(0) | うまく喋るには講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月17日

「第五回「うまく喋るには」講座 -無声化@-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

6月13日掲載の「第四回「うまく喋るには」講座 -滑舌編C-」では、

「きゃりーぱみゅぱみゅ」を例にとって、
言えない語句(どうしても言葉が途中で詰まってしまう語句)が
出てきたときの対処法の一つとして、

その言えない言葉を「母音だけに置き換えてみて、母音だけ練習する」ことが
効果的であるということをお伝えしました。

母音だけを練習することで効果的に、
口の動きの余裕を作り出すことが出来るのです。



今回お伝えする「うまく喋る」ための方法はこちら。

「無声化」です。

演劇やナレーション、朗読・アナウンスといった放送などに
少しでも関わったことがある方ならば必ず聞いたことがあると思います。
この講座でも後にご紹介する「鼻濁音(びだくおん)」と並んで、
滑舌をよくするための基礎技術として取り上げられることが多いです。

それだけよく取り上げられるということは
普通に喋っている分だけでもこの無声化は使用頻度が高く
でもしっかりとした知識をもっていないとそれでオーディション等の機会に
無声化を失敗してちゃんとした評価を得られない…といった事態に繋がります。

さてこの無声化、詳しい法則は次回以降にまたご説明します。

今回はこれだけ

・きくのはな (菊の花)
・きつつき (啄木鳥)
・しかいしゃ (司会者)
・つくし (筑紫)
・ちかしょうてんがい (地下商店街)


これらの言葉を是非一度口に出して言ってみてください。

無声化なんて初めて聞いたという人、
きっとこの無声化を意識し始めると、
日常的にこの無声化ができていない発音が気になって仕方なくなると思いますよ。

だって現役のアナウンサーの方だって無声化ができていない時がありますから。

つまりこれをマスターできればアナウンサーとして活躍されている方を
ある意味で凌駕することになる(?)のです。

あ、これらの言葉を読むとき、無声化初心者の方も
シャープに読む」ということを心掛けてみてください。

そうすることで無声化ができるメリットである
「歯切れよく」「綺麗に(流れるような)」滑舌になります。


ではまた次回
ラベル:声優 滑舌 無声化
posted by Voice Closer 矢吹 at 20:20| Comment(0) | うまく喋るには講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月13日

「第四回「うまく喋るには」講座 -滑舌編C-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

6月11日掲載の「第三回「うまく喋るには」講座 -滑舌編B-」では、
例えば「か」とは
「k」(クッ)と「a」(母音の「あ」)の
二つの音を組み合わせた音であるとあると説明しました。

同じように他の音も見ていくと
「ん」を除くすべての音には「a」「i」「u」「e」「o」、つまり母音が入っていて、
それらを発音する時に私たちは母音の口の形を作っていることがわかります。
(※母音の口の形の作り方に関しては「第一回「うまく喋るには」講座 -滑舌編-」をご覧ください。)

だから母音を練習することは、
その他のほぼすべての音の練習をもすることになるのです。

ここまでが前回までのお話です。


では今回はこの「母音の原理」を活用した
滑舌の必勝法をお話しします。

あなたは
きゃりーぱみゅぱみゅ」と、綺麗に発音できるでしょうか?

彼女の名前はいたるところに出てきますが、
どうにも言いにくくて仕方ない…。
日本の多くのアナウンサーさん方を苦しめるこの文字列、
そもそもなぜ言いにくいのでしょうか??

この「きゃりーぱみゅぱみゅ」を母音だけに置き換えてみましょう。
きゃ→「ky」+「a」
り→「r」+「i」
ぱ→「p」+「a」
みゅ→「my」+「u」


つまり、きゃりーぱみゅぱみゅを母音だけで表すと以下のようになります。

あいーあうあう.jpg

ぱみゅぱみゅ」の部分がなぜ言いにくいのかというと、
この「ぱみゅぱみゅ」は母音上では「あうあう」と表記できますよね。

つまりひとまとまりの単語として「ぱみゅぱみゅ」と口にする場合、
私たちの口は「あ」→「う」→「あ」→「う」と、
母音の口の形を急いで変えなければいけません。


「ぱみゅぱみゅ」がうまくいえないのは、一見「ぱ」や「みゅ」といった
少し特殊な発音が入っているからだと思われがちなのですが、
言えない原因は実はこの「あうあう」という
母音の口の形づくりが間に合っていないところにあったのです。


ゆっくりとでもいいので順番に口を「あ」→「う」→「あ」→「う」
と動かしてみてください。
大きく開いた「あ」の口と、ぐっと唇を前に突き出す「う」の口を
順番に連続して作ることは短時間の中であれば非常に忙しいことだとわかります。

そこで私たちは「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言う前に、
何度か母音のみである「あいーあうあう」を練習しましょう。
「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言う時の口の形づくりをしておくのです。

直前に鳴らしておくと、母音の原理が働いて、
口の動きに余裕ができてきます。
第二回でお話しした高跳びの例と一緒です。

あいーあうあう、あいーあうあう、あいーあうあう、あいーあうあう、
あいーあうあう、きゃりーぱみゅぱみゅ


ホラ、言えた!!

もちろん他の言葉にも応用できますから、
文章を読んでいて何度も詰まる個所があったら、
その個所を母音に置き換え、まずは母音のみで練習することで、
口の動きに余裕をもたせてあげましょう。


これでまた詰まらずに言える言葉が増えたはず

次回からも、滑舌をよくするために必要なテクニックを紹介していきます
ラベル:滑舌 声優
posted by Voice Closer 矢吹 at 18:28| Comment(0) | うまく喋るには講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月11日

「第三回「うまく喋るには」講座 -滑舌編B-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

6月9日掲載の「第二回「うまく喋るには」講座 -滑舌編A-」では、
滑舌練習には「母音」の練習が効果的で、
母音の練習は顔の筋肉が痛くなるくらいおもいっきり口の形を作る練習をするとよい

それはなぜか?
ということについて、「口の動きに余裕をもたせるためだ」というお話をしました。

では今回はなぜ「母音」だけの練習に
こんなにも意味があるのか
について考えていきましょう

滑舌練習も突き詰めて考えていけば、
最終的には母音だけでなく、すべての音を練習していく必要があります。
しかし、滑舌練習を始めるにあたって母音だけからはじめると非常に良いのです。

英語の学習をした時に「フォニックス」という概念を習ったことがある方なら、
とっつきやすい概念かもしれません。

日本語五十音の「か行」より後の音は
基本的にはローマ字で書くと、例えば「か行」は

か=「ka」
き=「ki」
く=「ku」
け=「ke」
こ=「ko」


と表すことができます。

さらにこの中の「か」を例にとって「か」の発音の仕方を考えてみましょう。
簡単にまとめると以下のようになります。

音の構成.jpg

つまり、「か」とは「k」と「a」という
二つの音によって構成されているのです。


この二音を組み合わせて一瞬のうちに発音することで、
私たちは「か」というひとつの音を発しているかのようにして話すのです。



図中でも少し触れていますが「k」という音を発音するときには、
まず普段皆さんが「い」を発音するときの口の形を意識してみてください
おそらく前回までの練習で大げさに「い」の口を作った時よりも
少し控えめに、しかし自然と横に口を広げるはずです。
この口の状態を崩さずに「クッ」という音を息だけを吐きだすことで出してください。
※この時、のどに手を当てて、のどが震えていないかチェックしてください。のどが音によって振動していたらアウトです。あくまで息だけを吐き出すようにして、のどが震えないように「クッ」という音を出してください。

つまり「k」は、
「い」の口を作りながら「クッ」という音を息だけを吐き出すことで出る音と言えます。

「a」はまさしく母音の「あ」
皆さんが今まで練習した通りにおもいっきり口を開けて発音してください。

おわかりいただけるでしょうか?
つまり私たちは「か」を発音するときに
最終的には「あ」の口の形を作っているのです。

長くなりましたが、こうして一音一音の構成を見ていくと、
「ん」を除いたすべての音の中に
「a」、「i」、「u」、「e」、「o」の母音が入っていると思います。

そして今回のようにして一音ずつの練習をしていくと
必ず私たちは各音を練習する中で「母音」の口の形を作ります。

母音を練習するということは、
「ん」以外のすべての音を練習するということに繋がります。


さらにこの母音の原理をうまく用いることでできる「滑舌の必勝法」もあるのです
次回、ご紹介いたします
ラベル:滑舌 声優
posted by Voice Closer 矢吹 at 16:55| Comment(0) | うまく喋るには講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月09日

「第二回「うまく喋るには」講座 -滑舌編A-」

どうも声優派遣屋の矢吹です

6月7日掲載の「第一回「うまく喋るには」講座 -滑舌編-」では、

結論としてまず滑舌で最も大事なことは「母音」で、
まずはこの「母音」の口の形づくりから始めよう、ということをお伝えしました。


これには
母音、つまり「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」を発音するときの口の形を
これでもかというくらい大げさに作る練習をすることで、
私たちが実際に話をして口を動かすとき、
その口の動きに余裕をもたせてやるという意図があります。


例えばスポーツの高跳びで考えてみましょう。
そこであなたが実際には150p跳べれば合格がもらえるとします。
単純な話、だったら160p跳べるようになれば、
合格ラインの150pも跳べるだろうということです。

普段人と話をするときには、
前回お話ししたような(大げさに作ってまで開いた)口の形のままで話すことはまずないでしょう。
しかし普段の話の中でも、言葉が滑ってしまったりだとか、
言葉が途中で詰まってしまったり(いわゆる噛んでしまう現象)だとか、
そういう経験が皆さんあるのではないでしょうか。

これはつまり、
その言葉を発するために口の形を作るだけの余裕があなたにないということ。
口の動きが実際に発する言葉の口の形についていっていないのです。
老若男女.jpg

これを先ほどの高跳びの例にあてはめると、
あなたが言葉の引っかかりなく綺麗に喋ることができるだけの口の形を作ることができるというのは、
高跳びで150p跳ぶことができるということ。

そのため、実際に話すときにはそこまでしっかりとは口を開けない(150p跳べればいい)けれど、
練習の時には大げさなくらいはっきりと口の形を作る(160p跳ぶ)練習をすればいいというわけです。

下図をご覧ください。

ブログ用-力の関係-.jpg

簡単な図ですが、
上側の青線があなたの今の口の形を作る能力(あなたの力)
黄線がきれいに喋るために必要な口の形づくり能力(求められる力)
下側の赤線があなたが大げさな練習によって得る口の形づくり能力(あなたの新しい力)


「そんなこと言っても必要以上の能力がいきなり手に入ったら苦労しないじゃないか。
それが出来ないから困ってんだよ!」


というのが普通。
この話だけ聞いてもみなさんそう思われると思います。

しかしこの練習法、「母音だけを練習する」ところに意味があるのです。
「母音だけ」をまず練習するから簡単で、そして滑舌練習全部に対して効果がある。
そしてこの能力さえあれば必要十分な滑舌能力の基礎が簡単に手に入る。

なぜなのか。

本当はこっちの方が本題だったのですが…。
また次回、お話ししますね!
ラベル:滑舌 声優
posted by Voice Closer 矢吹 at 21:25| Comment(0) | うまく喋るには講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月07日

「第一回「うまく喋るには」講座 -滑舌編@-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です
このブログでは今何かと話題の「声優」として活躍するために必要な技術、
またそれだけでなく、人前でスピーチしたり、プレゼンしたり…
そんな「声」を使って相手にアピールするような時に、

「どうやって話せばいいのか??」
そんな声・話し方のお悩みとその対処法についてお話ししていきます!!

第一回はこちら!

「ぶっちゃけ、滑舌(かつぜつ)ってどうやったらよくなんねん??」

これは永遠の謎にして、人類の最大の課題ではないかと
この矢吹、勝手に思っております。

人前で話をする機会が多い人たち

例えば、社長さんとか、市長さんとかのようないわゆる「エラい人たち」、
塾や学校、大学なんかの「先生たち」、インタビューを受ける「スポーツ選手」とか
色んな人がいますよね。

じゃあこの人たち全員が優れた滑舌で
ペラペラと弁舌鮮やかにのべつ幕なしに喋ることができるかというと、そうではありません。

「それでもその人たちはやることやってんだからいいじゃん」
と言われればそれまでですが、

やはり滑舌がいい人が話をすると

・ハキハキしている
・落ち着いている
・しっかりしている
・頼りになる


といった印象を持たれたり、そんな評価を受けるものです。

じゃあここで本題の
滑舌をよくするためにはどうすればいいのか??

いろいろな方法論が飛び交い、
それに従って日々滑舌練習をなさっている方もいらっしゃると思いますが、
滑舌で最も大事なのは「母音」です。
というかこれひとつできれば、大概は問題なく喋れます、はい。

綺麗に話したいと思うそこのあなたは、
まず徹底的に「母音」の口の形づくりから始めましょう


「あ」ならおもいっきり「これでもかっ!」ってくらい口を開いてください。
「い」ならおもいっきり口が裂けるかと思うくらい横に口を開いてください。
「う」ならおもいっきりタコと間違われるくらいに口を前に突き出してください。
「え」ならおもいっきり「い」の口のまま縦に少し口を開いてください。
「お」ならおもいっきり「う」の口のまま縦に少し口を開いてください。


なぜこれが効果あるのか、それはまた次回お話しします!

とりあえず、だまされたと思ってこの口の形づくりをしてください。
何度も何度も繰り返し。最初はたぶん疲れると思いますが、
徐々に顔の筋肉が慣れてラクになってきますよ♪

それではまた次回
ラベル:滑舌 声優
posted by Voice Closer 矢吹 at 20:56| Comment(0) | うまく喋るには講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする