2014年11月30日

あなたのストレートナレーションはどんなストレートナレーション??

どうも、声優派遣屋の矢吹です

本ブログを訪問される方の中には「ストレートナレーション」の意味について調べている方が多くおられるようです。

本ブログではかつてナレーション講座において
極めてストレートなナレーション」と位置づけてナレーション講座を行ってきましたが、確かにそれは世間一般で言うところの「ストレートナレーション」であることに間違いはありません。

私が「極めてストレート」と言ったのは「ストレートナレーション」という枠組みにも人によって様々な解釈の仕方があるからです。

つまりそれはクライアント、オーディションや、審査員、講師などによって
同じ「ストレートナレーション」を要求されても実際に求められているスキルが異なる場合があることを示しています。

そこで自分の求められている「ストレートナレーション」とはどんな「ストレートナレーション」なのか考えてみましょう。


まずナレーションは大別して

ニュース読みや企業VP、アナウンスなどで求められることの多いいわゆる「ストレートナレーション」と、バラエティ番組やCM、ドキュメンタリーなどで求められることのおい「ポップなナレーション」の2つがあります。

どちらも同じ「ナレーション」という括りですから、
目的は相手に「内容を伝える」ことが主です。
そのためまず本番前までの練習でナレーションのベースを組み立てるときにはまず
→ナレーション講座で紹介したような下記の「ナレーションの原則」に従いましょう。

@抑揚をつけるのは禁止
A基本は頭高で適度に尻すぼみ
B間とスピードで調節する(唯一あなたが施せるアレンジ部分)


両者の違いは
ストレートナレーションほぼ「伝える」だけに重点をおいた硬いナレーション

ポップなナレーション…「伝える」にプラスして、例えばバラエティ番組であれば場を盛り上げるような「付加価値」が要求されるナレーション

だととらえてください。

田中真弓さんや中井和哉さん、大塚芳忠さん、若本規夫さんなど、楽しいナレーションを提供してくださる大御所の声優・ナレーターさんたちは「ポップなナレーション」を展開している場面が多いですが、あれは「独自の調子でテンション高く適当に喋っているだけ」などでは決してありません。こちらの記事でも紹介しているように「ストレートナレーション」という土台があってそこに「遊び」を取り入れたナレーションを行っています。

ですからまず「ストレートナレーション」の原稿を選ぶ・作る際には「バラエティやCM」などはやめましょう。あれらはナレーションの原稿にのっとった上でも「アレンジの幅が広く使える」ことを前提に、「遊び」を多く取り入れる前提で作られるため、ストレートナレーションからは大きく逸脱してしまいます。

ストレートナレーションの原稿のチョイスはまず「ストレートナレーションの域から出ない」ことが大前提(ポップなナレーションはほぼ求められていない)なので、「ニュース原稿やアナウンス、説明文」などを選べばまず間違いありません。これらを本ブログで紹介している「極めてストレートなナレーション」の方法論で実践すれば認められる可能性は非常に高いです。

しかし、ただ「かたく」、「まっすぐに」読むだけがストレートナレーションではありません。もしあなたがオーディションで「ストレートナレーションを求められている」ならば他の審査項目を見てください。またオーディションの主催者側が「どういった人材を欲しているか」考えてみてください。 ストレートナレーションはいわば「没個性」の項目で、「あなたという人となり」を見るには適していません。ストレートナレーションが審査項目にあるということはあなたの「基礎技術」を見ているのです。 そのため、オーディションに「自己PR」などあなたの個性を発揮する機会がない場合や、主催者が「楽しい人材や変人(語弊があるかもしれませんが…)」を探していた場合には、ただのストレートナレーションでは「つまらない」と認識されてしまう可能性もあります。

そんな可能性が少しでもある場合は「ポップなナレーション」の原稿を見てみましょう。基本的にはストレートナレーションに使えないものばかりですが、「環境」をテーマにしたCMやドキュメンタリー、お店を紹介しているテレビ番組内でのナレーション等、中には「ストレートナレーションに近い」、でも「ポップなナレーションほどじゃないにせよ遊び幅がある」ナレーションが存在します。 そういった原稿をチョイスし、8〜9割はストレートナレーションで、残りの1〜2割は「アレンジ・遊び」を取り入れることで「基礎技術面」とアレンジによるあなたという人間の「面白さ」両方がアピールできます。

しかし一方で事務所などの役員に多い、お歳を召されている方の中にはこうした少しの「遊び」をよく思わない方もいらっしゃいます。 審査員の特性などを完璧に把握することはできませんが、

「ストレートナレーション」の課題を渡された時に相手が言っていたことや課題文の内容、オーディションそのものや主催者、講師などの性格・特徴の分析etc…
これらを行うことで「どのストレートナレーションを選択するか」が見えてきます。


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2014年09月05日

「第十四回「ナレーション講座H-5」-実践編-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

今回は課題原稿の3文目(オレンジ色のメモがある文章)について詳しく解説をしていきたいと思います。


生涯学習ナレーションメモ.jpg





まず3文目の文の構造を見てみると、「果たしています」という部分が述語(正確には述部)として働いています。ではこの文の主語は何なのか、と考えるとこれもまた2文目と同じで「生涯学習は」という主語になります。


ここで、文章の意味を考えてみましょう。
社会人のキャリアアップ」や「高齢者の生きがいづくり」に役立っているのは「生涯学習」であるということが、この文が伝えたい内容です。
しかし「生涯学習は」という言葉は3文目には出てきません。そのため、今回も述語にあたる「果たしています」のみに関して「調子」を下げるようにします。ただ、この言葉だけでは短すぎてうまく調子を下げきれない、もしくは下げすぎて語尾が消えてしまう、といった事態になりやすいと私は考えます。そのため文章中では「大きな役割を」という部分にも調子を下げるようなメモを残していますよね。
これは正確には「果たしています」だけを下げるのですが、読みやすくするために「大きな役割を果たしています」という大きなまとまりをだんだん下げながら読む、という意識をもった方がうまくいきやすいと思います。



続いて区切りを考えます。「 / 」が1か所、「 v 」が2か所に記してあります。
以前にもお話しした通りまずは「 / 」で区切ることを前提に考えます。そうすると「区切ると読みやすそうな部分」は「 / 」、「 v 」で示した計3か所です。ではなぜ後ろ2つは「 / 」ではなく「 v 」なのでしょうか。

これを考えるにはまず「並列の関係」について理解することが重要です。

この文中の「社会人のキャリアアップ」と「高齢者の生きがいづくり」は意味の上において両方とも等しく「生涯学習」の目的です。もちろん生涯学習の目的は他にもたくさんあるのでしょうが、代表としてこの2つが取り上げられています。「意味の上で等しい」ということは文の中で「対等な立場にある言葉どうし」だということ。対等な立場にある言葉どうしは間に区切りを入れつつ同じ高さから読み上げる必要があります。

これを並列の関係といいますが、

並列の関係にある言葉どうしは「〇〇、△△、□□、××、◎◎」といったように複数のものを読点「、」だけで区切って記してある場合と「〇〇と△△と□□」のように、「と」で関連付けて記されている場合があります。(もしくは読点「、」で区切ってあっても、並列の関係にある言葉の数が3つ以内程度の場合は「と」で区切っているものと同じとみなします。) 

前者の場合は、並列の言葉ひとつひとつを丁寧にゆっくり、はっきりと言い、区切りの間(ま)も十分にとることで相手に聞かせようとする場合が多いです。 逆に後者は前者に対してあっさりとしている場合が多く、区切りの間(ま)も十分にとらない傾向があります。

今回は後者ですので区切りの間の取り方は「 v 」に該当する「一瞬の間」の方がふさわしいのです。

最後の「大きな役割を〜」の直前に存在する区切りは、考え方は少し複雑なのですが、
こちらも意味のまとまりで間を考えます

まず「社会人のキャリアアップや高齢者の生きがいづくりに」と「大きな役割を果たしています」は意味的に繋がっていると理解してください。 大きな役割を果たしていると聞いても聞いた人は「何に」対して役割を果たしているのかわかりません。「社会人のキャリアアップや〜」と聞いて初めて何に役立つかがわかります。 つまりこの2つは意味の上では切り離せないのです。

そして更に見てみると「社会人のキャリアアップや」と「高齢者の生きがいづくり」という2つも先ほど見てきたように同じ生涯学習の「目的」を表す部分(並列の関係)ですので、こちらも意味の上では切り離せません。


しかし先ほど「並列の関係」の考えにおいてこの2つの間(あいだ)に間(ま)が存在しているというお話をしました。現に「社会人のキャリアアップや」と「高齢者の生きがいづくりに」の間には「 v 」の記号があります。ここで区切ってあることで、もし「社会人のキャリアアップや高齢者の生きがいづくりに」と「大きな役割を果たしています」の間に区切りがなかった場合、
「大きな役割を果たしている」のは「高齢者の生きがいづくりに」だけになってしまいます。この間の取り方だと、意味の上で「社会人のキャリアアップ」と「高齢者の生きがいづくり」が離れているように聞こえるからです。(「〜キャリアアップや」の時点でしっかりと区切ってしまっており、後の部分を続けて読むことで、続けて読んだ部分すべてが同じ意味を表しているように聞こえてしまうため。)


しかしだからといって「 / 」の間をとると、今度は「社会人のキャリアアップや高齢者の生きがいづくり」と「大きな役割を果たしています」という2つが意味がかけ離れているように聞こえてしまいます。

そこで使われるのが「区切らない」と「がっつり区切る」の間(あいだ)に位置する一瞬の間(ま)「 v 」というわけです。これを使うことでこれまでに説明した意味のまとまりが損なわれることなくバランスを保った状態で相手にこの文の意味を伝えることができます。

また、読んでみるとわかりますが、この区切り方だと非常に読み手としても読みやすいです。


いかがでしょうか

説明が長くなってしまいましたが3文目の解釈としては以上のようになります。
ナレーションの原則」、「意味のまとまり」、「文法(文章構造)」、「相手への伝わりやすさ」、「自分にとっての読みやすさ」すべてを総合して考えたとき、どの読み方が最善なのか。それはもしかしたら人によっても違うことがあります。例えば自分にとっての読みやすさというのは、その人その人の読みのレベルによって違います。

ここで学んだ原則や考え方を元にあなたにとっての最適なナレーションを考えてみてください
posted by Voice Closer 矢吹 at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ナレーション講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月02日

「第十三回「ナレーション講座H-4」-実践編-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

ナレーション講座実践編の続きです。

課題文の「二文目」について分析していきたいと思います。


生涯学習ナレーションメモ.jpg



二文目も同じくまずは読み方の「調子」から考えていきましょう。
二文目をよく見てみると「○○は」や「〇〇が」といった「主語」にあたるものが存在しません。しかし「取り入れられました。」という述語は存在します。ではこの文章の主語はいったい何なのでしょうか。

その答えは「生涯学習は」です。しかし今回「生涯学習は」という主語はこの文章の中には存在しません。ではどうするのかというと、文章中のメモ「→」を見てもらえればわかる通りでしか、この場合は基本的に「取り入れられました」の部分しか読みの調子を下げません。つまり、文章の最後の最後まで調子を下げず「我慢して」読むのがルールです。

しかしそこで気になるのは下げる部分も一か所で、また「提唱された考え方で、」の後にしか区切り線「 / 」はないことを考えると


@「文章の頭から最後まで息がしっかり続かないかもしれない」ことと、
A「二文目全体のトーン(高さ)が一文目よりも低くなってしまうかもしれない」ことです。



@については、この文章自体が接続詞によって2つの文章「(生涯学習は)もともとはポール・ラングランによって提唱された考え方です。」と「(生涯学習は)日本では学歴社会を打破するために取り入れられました。」がくっついたものであることも考慮すると、区切りも少なく、比較的長い文章と言えます

Aについては、基本的にナレーション初心者の方は文章全体の読み初めの頃は比較的高いトーンから入ることができるのですが、二文目以降、つまり文章の途中になるとトーンが下がってしまう傾向にあること(本当はすべての文章を同じ高さから読み始めなければならない)、下げる箇所が一か所だけであることで、無意識に低いところから読み始めてしまう可能性が高いことが理由として挙げられます。

そこで二文目は最初に「」という文字を入れています。
矢吹も無意識に低いところから読み始めてしまうことがあるので、
二文目も高いトーンから入らなければ…」という意識を、このメモを通して頭の中に存在させるようにしています。

記号のつけ方はお任せしますが、途中の文章に対しては「高いところからはいる」という意識を発生させるチェックをつけておくことをオススメします。


そして最後はこの文章の「重要ワード」を考えます。
ポール・ラングラン」という、おそらく一般の方からはあまりなじみのない人物の名前は、ゆっくりと言わないと聞き取れない可能性が高いです。
また「学歴社会を打破するために」は、生涯学習について二文目が最も伝えたい内容ですので、ここもチェック。それぞれ□で囲ってあります。

次回はついに三文目。

今までの講座の内容をフル活用して考えてみてくださいね
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2014年08月20日

「第十二回「ナレーション講座H-3」-実践編-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

またまた間が空いてしまいましたが、
前回のナレーション講座で矢吹なりの解釈で、
次のようにナレーションメモを残したのを覚えているでしょうか。

生涯学習ナレーションメモ.jpg



課題原稿でも自分で作った原稿でも結構ですが、ナレーションメモを書くときはまず文章の読み方の調子について書きましょう。

矢吹のメモでは読み方の調子については「→」で記述しています。
読みの調子を考えるためにはまずは主語と述語の関係性を見つけることが大事でしたね。


例えば赤いメモの一文目で主語にあたるのは厳密には「人々が」ですが、「人々が」という短い間だけで文章の調子をコントロールするのは至難の業です。そのためメモでは主語を「幅広い年齢層の人びとが」と捉え、この部分の「→」を右肩下がりで記述してあります。
また述語にあたるのは「ことです」ですがこれだけでは正直言って文章の意味が理解できません。そのため述語にあたる部分を「学習をすることです」に設定し、この文も→を右肩下がりになるように記述しています



長々と書きましたが要するに、

一つ目の文章の大枠は、

「幅広い年齢層の人々が、学習をすることです。」という文章なワケです。





しかしこれだけではまずそもそも「幅広い人々が学習する」というこの話は何の話なのかわかりませんし、どういう学習をするのかという「学習」に関する詳しい内容も分かりません。


そこでこの文章の「意味」を考えたとき、「生涯学習」と「学校教育の枠を超えて」というワードが重要なワードであると考えられます。

「生涯学習」というワードは、一文目のみならず、二文目、三文目も含めたこの文章全体の意味を考えたときに、この話の「主題」であることがわかります。あなたのこのナレーションを聞く人はあなたの発するこの「生涯学習」という単語を一つ聞き逃しただけで、難に関してのナレーションなのかがわからなくなってしまいます。

...だとしたら、じっくりと読んでちゃんと相手に伝えなければならないことはわかりますよね。


「学校教育の枠を超えて」というのは、文章全体から見れば「生涯学習」というワードほど重要ではありませんが、「生涯学習」というワードを知らない人にとっては、普通の学習とこの「生涯学習」とは何が違うのかわかりません。ですがざっくり言うとこの生涯学習というのは小学校や中学校、高校などの学校に通って勉強をする「学校教育」には含まれない学習のことを指します。 とまぁこの事実を、ナレーション原稿をもらったあなたが知っていようが知っていまいが、文章を一読すればわかりますよね。少なくとも生涯学習の説明をするにあたってこの「学校教育の枠を超えて」というのがこの文章中では一番わかりやすくて重要なのだろうな、ということを察するくらいの読解力は必要です。


以上の観点からこの二つを重要なワードとして「スロー再生」することで強調して相手に伝えること。これが文章の調子に続いて二番目に考えることです。だからこの二つのワードは、メモの中では□で囲ってあります。


次に考えるのは、ここまでを考えた上で「どこをどう区切ったら読みやすく、また伝わりやすいか」です。あなたが読みやすいだけの読み方では相手にナレーションはうまく伝わりません。しかし相手にとって聞きやすいことだけを考えていてはあなたが読むときに苦戦を強いられてしまいます。どちらも最大限考慮したうえで切るべき個所は、矢吹が「v」と「/」のメモを残したところです。「v」は一瞬の間、「/」は読点そのままのじっくりととる間でしたね。

読点「、」が記されている部分は大抵はそのままどちらかの区切りを入れればいいのですが、基本的に読点なんてものは目で見たときに「読」みやすい「点」だから読点なのであって、話す時には必ずしもそれ通りに区切って読む必要はありません。完全に従うとブツブツと切れる変な文章に聞こえたり、逆に区切りが全然ない文章に聞こえることがあります。


しかしこの一文目に関してはそのまま従ってOKです。
しかし、見て分かる通り「間」の取り方が「v」と「/」で違います。まずは両方「/」で間をとった場合を考えればよいのですが、実際にそれで読んでみてください。短い文章なのに、がっつりと長い間が二つもあるとなんだか気持ちが悪く感じませんか? もしそう感じたならばそれは先ほど述べたようなブツブツ切れるように聞こえた「区切りすぎ」の読み方なのです。

しかし文章のはじめの「生涯学習とは」と「子どもから大人まで様々な人々が」はそれぞれで意味を成している「意味の異なるまとまり」です。となると「/」で区切るのは難しいけれど、なんとかしてこの二つの間に「間」は欲しいと思うわけです。そこで活躍するのが一瞬の間の記号「v」。これにより、しっかりと区切りは確保しつつもあまり間をとらないことで相手に違和感を覚えさせることなくナレーションを聞いてもらうことができます。



このように、一文目だけでも、考えればこれだけの付加価値を文章に付けることができます。二文目以降はまた解説しますが、こんな観点で考えてみてください。

また、「いや、私の解釈はそうじゃない!」といった見方がありましたら是非教えてください
posted by Voice Closer 矢吹 at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ナレーション講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月09日

「第十一回「ナレーション講座H-2」-実践編-」

どうも、お久し振りです。声優派遣屋の矢吹です
前回の「第十回「ナレーション講座H-1」-実践編-」から少々時間が空きましたが、前回は極めてストレートなナレーションの原則を用いて、以下の文章をあなたならどう読むか考えてみてほしい、ということをお伝えしました。


生涯学習ナレーション原文.jpg



矢吹なりの解釈ではこの文章にこんなメモ書きをします。


生涯学習ナレーションメモ.jpg



赤いメモが一文目青いメモが二文目オレンジ色のメモが三文目の読み方を表しています。


各文章の上にひかれている長い横線はこれまでにも触れてきた「文章の調子」を表し、横一線のときは調子をそのまま保った状態で、右下がりになっているときはその部分は調子を下げながら読むということです。
調子に関する詳しい内容は「第五回「ナレーション講座C」-主語と述語の関係を見つけ出せ-」をご覧ください。


文章中の□で囲ってある部分はその文章中で伝えたい重要なワードとして他の箇所と比べて「スロー再生」をする場所です。
スロー再生については「第六回「ナレーション講座D」-強調したきゃ『スロー再生』-」に書いてあります。


そして文章の途中に何回か出てくる「 / 」は1秒程度の「間」を、「 v 」は「一瞬の間」を表します。
間に関する詳しい内容は「第七回「ナレーション講座E」-間(ま)の原理-」、および「第八回「ナレーション講座F」-『一瞬の間』の使い方-」をご覧ください。


『 「@ 』や『 「A 』と記されているのは「並列の関係にある」ものたちです。
並列の関係については「第九回「ナレーション講座G」-並列の関係-」を参照してください。

また二文目の頭についている「高」という文字は、二文目は基本的に調子は横一線のままほとんどを読むのですが、文章が長いため息切れを起こし、どうしてもほとんどの人が途中でいくらか下がってしまう傾向にあることを踏まえて、下がってしまっても平気なように比較的高い調子から入ることができるよう意識するためのものです。


詳しい解説はまた次回入れたいと思います。
どうしてこのようになったのか一度考えてみてください。
また自分の考えていた読み方との一致点、また相違点を見つけ出してみてください。
次回はそこも踏まえた話をしたいと思います
posted by Voice Closer 矢吹 at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ナレーション講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月30日

「第十回「ナレーション講座H-1」-実践編-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

今回はナレーション講座で学んだ
極めてストレートなナレーション」の仕上げとして

1つ実践課題をもとにナレーションの構造解析をしていただきたいと思います。

題材として用いるのは、声優派遣屋の矢吹サンプルボイスとして取り上げられている
【ナレーション】生涯学習とは...』です。
ちょうど矢吹の個別ページにあるストリーミングプレーヤーの上から6つ目に該当するサンプルボイスです。


下にある画像が原文になっています。

生涯学習ナレーション原文.jpg


皆さんならこれまでの情報を元に、
このナレーションをどのように理解し、どのように読み上げますか??

このナレーション原稿は極めてストレートなナレーションが必要とされるような「内容を正確に伝えるべき」ナレーション原稿です

@抑揚をつけるのは禁止
A基本は頭高で適度に尻すぼみ
B間とスピードで調節する(唯一あなたが施せるアレンジ部分)

この3つの原則を思い出し、一度考えてみてください。



ハッキリ言って、完全な正解というものはありません。もちろんある程度の方針は同じである必要がありますが、正直文章のどの部分をどうとらえるかというのは最終的には人の感性ですし、ナレーションにもあくまで「原則」はあっても「鉄則」となるルールはあまりなく、感覚に依るところもあります。あなたなりの正解を一度考えてみてください。


次回、矢吹なりの見解を示したいと思います。
posted by Voice Closer 矢吹 at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ナレーション講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月29日

「第九回「ナレーション講座G」-並列の関係-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

今回のナレーション講座は、次回ナレーション原稿に、
ナレーションの原則に基づいた「書き込み」をするためのルール「並列の関係」について皆さんにお伝えします。

極めてストレートなナレーションの原則については以下の通りです。

@抑揚をつけるのは禁止
A基本は頭高で適度に尻すぼみ
B間とスピードで調節する(唯一あなたが施せるアレンジ部分)


これらを達成するべく、これまでも様々なナレーションテクニックを学習してきました。

この原則の内「A基本は頭高で適度に尻すぼみ」は主語と述語の関係にある部分にしか適用されないと言いましたが、実はもう一つ例外が存在しています。


それは文章中の2つ以上の箇所が「並列の関係」にある時です。

例えば

彼らが現在警察犬としてこの街を守る二頭、チャッピーとエースです。

という文章があったとします。
「A基本は頭高で適度に尻すぼみ」の適用対象は主・述の関係にある
彼らが」と「チャッピーとエースです」となります。

これらを読んでいるうちは基本的に調子を下げながら読んでいくのが普通ですが、
この文章を「意味」の観点から推測すると、これは街を守る警察犬であるチャッピーとエースの2頭を紹介する文章であると思われます。

この文章をあなたに読むよう指示した人間が「チャッピー」か「エース」の2頭どちらかを強調するような指示を加えた場合か、もしくはこの街の警察犬としてチャッピーかエースどちらかが既に勤務しており、このナレーションが新たにどちらかが加わるといった内容のニュースの一部であるという情報をあなたが持っていれば、チャッピーかエースどちらかを強調して読むことは考えられます。しかしそうでもない場合、この二匹の関係性は対等です

よって「チャッピー」と「エース」はこの文章において並列の関係であるということが認められます。

つまり、「チャッピーとエースです」は本来ならば調子を下げながら読む述部なのですが、「チャッピーと」と言ったのと同じ速さ、高さ、大きさの声に戻してエース」と読むことになります。

つまり「チャッピーと」は下げながら読むのですが、「エース」を口にするときはもう一回声のトーンを戻すということですね。

じゃあ「チャッピーとエースです」ってどこを下げながら読むねん!?
ってことになりますが、ざっくり言うとこんな感じです。


チャッピーとエース.jpg


チャッピーと」と「エースです」に分けた場合、この2つそれぞれを同じ高さから読み落としていくイメージになります。


こうした、「○○と××」や「○○、××、□□、△△」などのように対等な立場のものが並んでいるものは「並列の関係」として処理する、と覚えてください。

それではまた次回
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2014年07月25日

「第八回「ナレーション講座F」-『一瞬の間』の使い方-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

「第七回「ナレーション講座E」-間(ま)の原理-」では、「間」が非常に大切な存在だとして紹介しました。またナレーションにおいて間を使うメリットは

@「間」を置いた前後の箇所を重要な部分として引き立てる。
A「間」の前後で文章の意味を切り替える。
B「間」を使って文章の調子や読み方の調子を整える。

主にこの3点が挙がることもお伝えしました。

前回は「約0.1秒の間」とされる「一瞬の間」について、
「@「間」を置いた前後の箇所を重要な部分として引き立てる」の目的に使う例をご紹介しましたが、今回はこの「一瞬の間」について「B「間」を使って文章の調子や読み方の調子を整える」方法をご紹介します。

「一瞬の間」は前回ビッグバンの文章の例で説明したようなイメージです。

これが宇宙の始まりを示す / ビッグバンです。

「/」の部分に0.1秒の間を入れて読んでみてください。
「ビッグバン」をゆっくりと読もうとしても、「これが宇宙の始まりを示す」を読んだ時のテンポを引きずったまま読んでしまいがちです。そんな時にこの一瞬の間を使うことで、「ビッグバン」をゆっくり読むための準備をし、読みの体勢を整えることができます。これにより、「/」の前後で明確に読みのスピードの差をつけることができるのです。

これが「B「間」を使って文章の調子や読み方の調子を整える」の効果です。

文章の流れの中でスピードの変化をつけやすくする他にも、
この一瞬の間を用いることで、何度読みの練習をしても引っかかってしまう言葉を言いやすくすることもできます。

早口言葉に出てくるような言いにくい言葉が出てきたときに、その言葉の前にこの「一瞬の間」を使って読んでみましょう。言えなかった言葉が、事前にこんな0.1秒というたった一瞬でも間を置いて準備して喋ることで言えるようになるかもしれません
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2014年07月23日

「第七回「ナレーション講座E」-間(ま)の原理-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

7月20日掲載の「第六回「ナレーション講座D」-強調したきゃ『スロー再生』-」では、極めてストレートなナレーションにおいて、文章中の特定の箇所を強調する手段として、その箇所だけをゆっくり読む「スロー再生」を提案しました。

この極めてストレートなナレーションにおけるスピード調節に関するテクニックは、逆に文章の中で特に重要ではない部分を速く読んでしまうことで、その部分をさらっと流してしまうということもできます。



そしてナレーションテクニックとしてもう一つ重要なのが「間(ま)」です。

「間」は演技や朗読など、声に関する他の分野でも重要となるテクニックですし、更には映画やドラマ、舞台の演出の一環として編集者や演出家が物語・シーンの要所に「間」を取り入れることで前後のシーンや物語の意味を一層引き立てるのにも使われます。

ナレーションを学習している私たちも彼らのように「演出者」であり「表現者」でもあるわけですから「間」の使い方をマスターすることは必然です

極めてストレートなナレーションにおける「間」の効果は以下の通りです。

@「間」を置いた前後の箇所を重要な部分として引き立てる。
A「間」の前後で文章の意味を切り替える。
B「間」を使って文章の調子や読み方の調子を整える。


しかし矢吹の持論では特にこのBの効果を狙う時(場合に寄っては@も)、とるべき間の時間は本当に「一瞬」な場合があります。音楽記号の休符に長さの違いがあるように、間にもその長さの違いがあると考えてください。

例えば一瞬でない普通の間を、@の効果を狙って使うのはこんな時です。


ビッグバン、それは宇宙のはじまりを示す巨大な爆発です。


この「ビッグバン」と「それは宇宙の〜」の間にある読点「、」の部分には、常識的な範囲でどれほど遅く読んだとしても、0.5秒以上くらいの間をとるのが一般的です。


しかし、同じような意味を表しているにもかかわらず、こんな文章になっていたらどうでしょう。


これが宇宙の始まりを示すビッグバンです。


「〜示す」と「ビッグバン」の間には読点など、間としてワンテンポ置くような指示記号は特にありません。ですがこの文章を見たとき、おそらく皆さんは「ビッグバン」が重要なワードで、強調して読みたいな、と思うのではないでしょうか。

先ほどの文章を読んだのと同じくらいのスピードで、かつ先ほど読点のところに入れた間と同じくらいの間を「〜示す」の後に入れて読んでみてください。

なんだか「間」を取りすぎているような感覚に陥りませんか??
よくわからない、という人はレコーダーにナレーションを記録して再生してみましょう。


こんな時に活躍するのが「一瞬の間」。間というよりは流れで文章そのものは読んでしまうのですが、「一瞬の間」をとるその「一瞬だけフッと止まる」という方が正しいでしょうか…。

感覚としては「0.1秒の間をとるぞ」、くらいの気持ちでやってみてください。
一瞬だけ立ち止まってすぐに続きを読み始める、という感覚がわかるハズです。

と言っても分かりにくいという方もいると思います。
この例もまた近日中に参考動画を掲載したいと思います。

ひとまず、間の原理はこんなところでしょうか。
posted by Voice Closer 矢吹 at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ナレーション講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月20日

「第六回「ナレーション講座D」-強調したきゃ『スロー再生』-」

どうも、声優派遣屋の矢吹です

昨日(7月19日)掲載の「第五回「ナレーション講座C」-主語と述語の関係を見つけ出せ-」では、極めてストレートなナレーションにおいては文章の中で「主語(部)」と「述語(部)」の関係性を見つけ出し、その部分は調子を下げながら読み、それ以外の部分は調子を下げることなく読む、ということをお伝えしました。

正直、これだけできていれば「極めてストレートなナレーション」として一応は認められます。「え、それだけ?」と思われるかもしれませんが、それだけです。

しかし、ただ「それだけ」なので成立はするのですがこれだけでは「味気ないナレーション」にもなってしまいますから「魅せるナレーション」にはなり得ません。


例えばあなたが

○○市民プールには毎年夏休みになると子どもたちが巨大なウォータースライダーを目的に訪れます。

という文章を、極めてストレートなナレーションで読んでください。

ただし「巨大なウォータースライダーを」という部分がしっかりと伝わるように読んでください。

と指示を受けたとしましょう。

この文章で「主・述」の関係をまず発見することが第一でしたね。
この文章では「子どもたちが」「訪れます」の部分です。

では「どこに、いつ、なぜ」訪れるのかというと
○○市民プール」に「毎年夏休みになると」「巨大なウォータースライダーを目的に」訪れるわけです。これらはこの文章の「構成」の上では二次的な情報になるため、極めてストレートなナレーションにおいては変化をつけがたい部分です

しかしこの文章を読み上げることをあなたに依頼した人物は「巨大なウォータースライダーを」という部分がよく伝わるように読むことをあなたに要求しています。しかしあくまで極めてストレートなナレーションなのでそこばかりを強く読むというわけにもいかないのです


この要求に応えるためにあなたがとることのできる選択こそが極めてストレートなナレーションの3番目のルール「B間とスピードで調節する」です。

今回はスピードについてです。

と言っておきながらやることは至極単純。

要するに「巨大なウォータースライダーを」の部分を他と比較してゆっくりと読むだけ。

ただしその前後の部分は基本一定でなければなりません。音の高さや大きさも、この「巨大なウォータースライダーを」の部分の速さを変化させたことによってガクッと下がったり上がったりしてはいけません。

自分でナレーションを録音して何度も聴きながら
スピードや音の大きさ・高さが「他の部分に影響を及ぼしていないか」をチェックしましょう。

強調したい部分だけスロー再生(0.5〜0.8倍速くらい??)、
あとはそのまま極めてストレートなナレーションの原則@Aに沿って読んでみてください
posted by Voice Closer 矢吹 at 16:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ナレーション講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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