どうも、声優派遣屋の矢吹です
本ブログを訪問される方の中には「ストレートナレーション」の意味について調べている方が多くおられるようです。
本ブログではかつてナレーション講座において
「
極めてストレートなナレーション」と位置づけてナレーション講座を行ってきましたが、確かにそれは世間一般で言うところの「
ストレートナレーション」であることに間違いはありません。
私が「極めてストレート」と言ったのは「
ストレートナレーション」という枠組みにも人によって様々な解釈の仕方があるからです。つまりそれはクライアント、オーディションや、審査員、講師などによって
同じ「ストレートナレーション」を要求されても実際に求められているスキルが異なる場合があることを示しています。そこで自分の求められている「ストレートナレーション」とはどんな「ストレートナレーション」なのか考えてみましょう。
まずナレーションは大別して
ニュース読みや企業VP、アナウンスなどで求められることの多いいわゆる「
ストレートナレーション」と、バラエティ番組やCM、ドキュメンタリーなどで求められることのおい「
ポップなナレーション」の2つがあります。
どちらも同じ「ナレーション」という括りですから、
目的は相手に「内容を伝える」ことが主です。そのためまず本番前までの練習でナレーションのベースを組み立てるときにはまず
→ナレーション講座で紹介したような下記の「
ナレーションの原則」に従いましょう。
@抑揚をつけるのは禁止
A基本は頭高で適度に尻すぼみ
B間とスピードで調節する(唯一あなたが施せるアレンジ部分)
両者の違いは
ストレートナレーション…
ほぼ「伝える」だけに重点をおいた硬いナレーションポップなナレーション…「伝える」にプラスして、例えばバラエティ番組であれば場を盛り上げるような「付加価値」が要求されるナレーション
だととらえてください。
田中真弓さんや中井和哉さん、大塚芳忠さん、若本規夫さんなど、楽しいナレーションを提供してくださる大御所の声優・ナレーターさんたちは「ポップなナレーション」を展開している場面が多いですが、あれは「独自の調子でテンション高く適当に喋っているだけ」などでは決してありません。
→こちらの記事でも紹介しているように
「ストレートナレーション」という土台があってそこに「遊び」を取り入れたナレーションを行っています。ですからまず
「ストレートナレーション」の原稿を選ぶ・作る際には「バラエティやCM」などはやめましょう。あれらはナレーションの原稿にのっとった上でも「アレンジの幅が広く使える」ことを前提に、「遊び」を多く取り入れる前提で作られるため、
ストレートナレーションからは大きく逸脱してしまいます。ストレートナレーションの原稿のチョイスはまず「ストレートナレーションの域から出ない」ことが大前提(ポップなナレーションはほぼ求められていない)なので、
「ニュース原稿やアナウンス、説明文」などを選べばまず間違いありません。これらを本ブログで紹介している「極めてストレートなナレーション」の方法論で実践すれば認められる可能性は非常に高いです。
しかし、ただ「かたく」、「まっすぐに」読むだけがストレートナレーションではありません。もしあなたがオーディションで「ストレートナレーションを求められている」ならば他の審査項目を見てください。またオーディションの主催者側が「どういった人材を欲しているか」考えてみてください。
ストレートナレーションはいわば「没個性」の項目で、「あなたという人となり」を見るには適していません。
ストレートナレーションが審査項目にあるということはあなたの「基礎技術」を見ているのです。 そのため、オーディションに「自己PR」などあなたの個性を発揮する機会がない場合や、主催者が「楽しい人材や変人(語弊があるかもしれませんが…)」を探していた場合には、
ただのストレートナレーションでは「つまらない」と認識されてしまう可能性もあります。そんな可能性が少しでもある場合は「ポップなナレーション」の原稿を見てみましょう。基本的にはストレートナレーションに使えないものばかりですが、
「環境」をテーマにしたCMやドキュメンタリー、お店を紹介しているテレビ番組内でのナレーション等、中には「ストレートナレーションに近い」、でも「ポップなナレーションほどじゃないにせよ遊び幅がある」ナレーションが存在します。 そういった原稿をチョイスし、8〜9割はストレートナレーションで、残りの1〜2割は「アレンジ・遊び」を取り入れることで
「基礎技術面」とアレンジによるあなたという人間の「面白さ」両方がアピールできます。
しかし一方で事務所などの役員に多い、お歳を召されている方の中にはこうした少しの「遊び」をよく思わない方もいらっしゃいます。 審査員の特性などを完璧に把握することはできませんが、
「ストレートナレーション」の課題を渡された時に相手が言っていたことや課題文の内容、オーディションそのものや主催者、講師などの性格・特徴の分析etc…
これらを行うことで「どのストレートナレーションを選択するか」が見えてきます。
posted by Voice Closer 矢吹 at 15:42|
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