英語らしい「調子」で発音し、英語っぽく相手に伝える方法を今回の講座では実践していきましょう。
まずは英語の各単語におけるアクセント(強勢)を意識してみてください。
たとえば ”baseball” ならbase-ballと単語を区分した後、「base」の方をより強く発音します。
この単語で誤って「ベィス『ボゥル』」と発音してしまう方は少ないとは思いますが、前回お伝えしたように日本人である私達は日本で生活しているうちに、基本的に「棒読みのセンス」を磨いています。棒読みマスターである私たちも英語を発音する時ばかりは「恥じらいを捨てて」、「強調するべきところは強調して」読む必要があるのです。
また、外来語や和製英語に慣れすぎている私たちは「英語の発音」と「日本語の発音」を混同してしまっている節があります。
私が中学生の頃アメリカへ行った時に、友人とホテルの中を散策している時に迷子になりました。そこでホテルの従業員と思わしき人たちに対して必死に「ウェアイズエレベーター」「ウェアイズエレベーター」と訊いていましたが一向に理解されませんでした。しばらくして私たちが「エレベーターの場所を聞いていた」ことを理解してくれましたが、この時相手が口にした ”Oh, elevator!!”
私たちは “Where is the elevator?” と訊いていた「つもり」でしたが”the”が抜けているとかそんな理由ではなく私たちの”elevator”の発音に問題がありました。日頃私たちは「エレベーター」という言葉を「エレ『ベー』ター」というように「ベー」の音が一番高くなるように発音します。しかし英語における”elevator”は最初の「e」、つまり「エレベーター」の「エ」の部分にアクセントがあります。
カタカナで表すと
私「ウェアイズエレ『ベー』ター??」
相手「エレベーター…?? オゥ、ユーセィ『エ』レベィタァ!!」
なんともマヌケな話です。
日本語のアクセントに準じて話している英語は「英語の域から逸脱している英語的な何か」になってしまいます。例えば「日本人英語」のような。
わからない単語や日本語にも似た言葉があるものは積極的にアクセントを調べましょう。
もうひとつ意識することは「一文の中の調子を変化させること」です。
ちょうどアメリカに行った話をしましたので以下の様な例文を用いましょう。
I went to America to study English. [私は英語を勉強するためにアメリカに行きました。]
これを読むときあなたが伝えたいことが「アメリカに行った」ことなのか「英語を学びに行ったこと」なのか「あなたが行った」ことなのかなんなのかにもよりますが、おそらくこの文の中で”I”や”America”、”English”は強調される単語である可能性が高いです。こうした意味の上で最も重要な単語を優先度@とし「最も高く(大きく)発音する」ものとします。
次にこの文中で言えば”to”、他には”a”や”the”などの冠詞、”in”や”on”、”at”などの前置詞を優先度Bとし、「最も低く(小さく)発音する」ものとします。
そして残ったそれ以外を優先度Aとし、@とBの間の高さ(大きさ)で発音するものとします。
すると以下のように表すことができます。
このように単語の強勢だけでなく、一文の中にある単語同士にも優劣をつけて発音することで「波打つような英語のリズム」になり、英語らしく聞こえます。